頭部外傷による高次脳機能障害で後遺障害7級4号が認定されたケース

1.相談前

 

クライアントは、新聞配達の仕事をしていたときに、交通事故にまきこまれて、頭部外傷、びまん性脳損傷の傷害を受け、長期間入院治療を続けていました。

 

交通事故後、注意障害や下半身に麻痺の症状があらわれ、リハビリを継続し、1年半もの治療を続けました。

 

仕事中の交通事故だったため、労災保険を利用して、休業補償給付を受給しながら、治療を続け、症状固定後に、任意保険会社の後遺障害の認定手続において、7級4号「精神系統の機能又は精神に障害を残し、軽易な労務以外の労務に服することができない」の後遺障害に該当しました。

 

クライアントは、後遺障害の認定を受けた後、保険会社からの損害賠償額が適正なものなのかを知りたくて、ご相談にいらっしゃいました。

 

2.相談後

クライアントが保険会社から提示された損害賠償額を検討したところ、入通院慰謝料と後遺障害慰謝料について、増額できる余地があると考えて、保険会社との示談交渉を受任しました。

 

クライアントは、まだ、労災保険の障害補償給付を受け取っていませんでした。

 

そこで、労災保険の障害補償給付である障害特別支給金と障害特別年金の請求をしました。

 

労災保険の特別支給金は、保険会社から支払われる損害賠償額から控除されませんので、まずは、この特別支給金約160万円を労災保険から回収しました。

 

次に、相手方の自賠責保険に対して、被害者請求を行い、自賠責保険から、827万円を回収しました。

 

労災保険の障害補償年金については、自賠責から827万円を回収したので、しばらくの期間停止となりました。

 

労災保険と自賠責保険から回収した後に、任意保険会社と交渉して、追加で200万円の損害賠償額を支払ってもらうことで示談が成立しました。

 

3.弁護士からのコメント

仕事中の交通事故の場合、労災保険を活用することを検討するべきです。

 

自賠責保険では後遺障害の認定がされなくても、労災保険では後遺障害の認定がされることがあります。

 

また、労災保険からは、保険会社から支払われる損害賠償額から控除されない特別支給金が支払われるのも、交通事故の被害者にとってメリットです。

 

保険会社と示談をするときには、保険会社からの示談金が被害者の損害賠償請求権の全部の填補を目的としている場合には、示談成立後に労災保険給付が行われなくなりますので、示談書には、示談金が労災保険の給付とは別に受け取るものであることを明記する必要があります。

 

具体的には、「労働者災害補償保険法に基づく過去及び将来の給付金とは別に、解決金として~円を支払義務がある」などの示談書にするべきです。

 

労災保険の特別支給金を先に回収したため、クライアントの手元に残る解決金が多くなり、クライアントの満足につながったことが嬉しかったです。