労災後遺障害6級はいくらもらえる?補償額と会社への損害賠償請求を弁護士が解説
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仕事中や通勤中の事故によって重い後遺障害が残ってしまった場合、今後の生活や仕事に大きな影響が生じます。
特に、労災事故によって後遺障害6級が認定された場合、労災保険からいくら補償されるのか、労災年金は受け取れるのか、会社に対して損害賠償請求できるのか、慰謝料は受け取れるのか、といった疑問を抱く方が少なくありません。
後遺障害6級は比較的重い後遺障害に分類され、労災保険から障害補償年金が支給されます。また、会社に安全配慮義務違反が認められる場合には、労災保険とは別に会社へ損害賠償請求できる可能性があります。
この記事では、労災後遺障害6級の認定基準、受け取れる補償内容、会社への損害賠償請求について、労災事件を取り扱う弁護士が詳しく解説します。

労災における後遺障害の基本(治ゆ・症状固定)
労災で後遺障害が問題になるのは、治療を続けても改善が見込めない「治ゆ(症状固定)」の時点以降であり、この判断が手続の出発点になります。
労災の後遺障害は、ケガが「完治していない」ことそのものではなく、「これ以上治療しても医学的に大きな改善が見込めない」と医師が判断した状態を前提に評価されます。これが治ゆ(症状固定)で、後遺障害等級の申請は原則このタイミングから始まります。
症状固定が早すぎると、十分な検査や治療の結果がそろわないまま評価され、後遺障害の等級が低くなるリスクがあります。逆に遅すぎると、手続が先延ばしになり生活設計が立ちにくくなるため、主治医と「今後の見通し」「追加で必要な検査」「リハビリで改善し得る範囲」を具体的に確認することが重要です。
後遺障害認定は、本人のつらさの訴えだけではなく、診断書、画像所見、聴力検査・視力検査、可動域測定など客観資料で裏付けられているかがポイントです。日常生活や就労で何ができないかも、診断書等に具体的に記載されているほど、後遺障害の認定に有利になります。
後遺障害等級と6級の位置づけ
労災の後遺障害等級は1級から14級まであり、数字が小さいほど重い障害と評価されます。6級は年金支給の対象となる上位等級の一つです。
労災の後遺障害等級は1級から14級までで、等級が上位(数字が小さい)ほど、生活・就労への影響が大きいと評価されます。6級は1級から7級に含まれ、障害補償年金が支給される区分に入ります。
労災の後遺障害6級は、たとえば視力・聴力・咀嚼や言語の機能、脊柱、上肢下肢の関節、手指の喪失など、機能障害において重い類型が並びます。単に痛い、だるいといった主観症状だけでは到達しにくく、検査値や画像で説明できる状態であることが多い等級です。
重要なのは、同じ部位のケガでも「どの類型で評価されるか」により必要な証拠が変わる点です。たとえば関節なら可動域や麻痺の所見、脊柱なら画像と術式、感覚器なら検査条件と結果の保存が鍵になります。

労災保険の給付の種類(療養・休業・障害等給付など)
労災保険には、療養補償給付(治療費)、休業補償給付、障害補償給付、遺族補償給付など複数の給付があります。
療養補償給付を利用することができれば、労災保険から、治療費が全額支給されるため、治療費が無料になります。
休業補償給付を利用することができれば、労災事故による治療のために、会社を休業したとしても、労災保険から、給料の約80%が補償されます。
遺族補償給付を利用することができれば、ご遺族の状況によって、労災保険から、一時金若しくは年金が支給されます。
労災の後遺障害6級と直接関係があるのは、症状固定後の障害補償給付です。労災の後遺障害等級が認定されると、障害補償年金または障害補償一時金が支給され、加えて特別支給金や特別年金などが支給対象になります。
実務上は、治療中は療養補償給付と休業補償給付、症状固定後は障害補償給付というように、段階に応じて必要書類や判断基準が変わります。
障害補償年金と障害補償一時金の違い
労災の後遺障害等級によって、年金として継続支給されるのか、一時金としてまとめて支給されるのかが分かれます。労災の後遺障害6級に該当すれば、年金が支給されます。
障害補償給付は、労災の後遺障害等級によって支給形態が異なります。1級から7級は障害補償年金として毎年継続的に支給され、8級から14級は障害補償一時金としてまとまった金額が一度支給されます。
労災の後遺障害6級は障害補償年金の対象なので、後遺障害の症状が残る限り継続して、年金を受給できます。
一時金のように受け取って終わりではない分、後遺障害の審査では「障害が固定しているか」「検査が客観的か」「症状や所見に一貫性があるか」がより重視されやすいです。診断書に加え、検査結果や画像によって、労災の後遺障害6級に該当することを説得的に主張していきます。

後遺障害6級の認定基準と該当例
労災の後遺障害6級の認定は障害等級表の要件に当てはまるかで判断され、部位・機能ごとに基準や評価方法が異なるため、該当類型を特定することが重要です。
労災の後遺障害6級は、障害等級表で定められた特定の状態に該当するかどうかで判断されます。ここで大切なのは、診断名よりも「機能がどの程度失われたか」を、検査や画像で説明できることです。
視力なら矯正視力と測定条件、聴力なら純音聴力や語音明瞭度、脊柱ならX線やCT・MRI所見と術式、関節なら可動域・強直・麻痺の所見、手指なら切断部位が重要になります。
以下では、労災の後遺障害6級になり得る代表的な類型について解説します。
目の障害で後遺障害6級となるケース
目の障害で後遺障害6級となる代表例は、両眼の視力が0.1以下になった場合です。評価は原則として矯正視力で行われ、眼鏡や医学的に使用可能なコンタクトレンズ、眼内レンズなどで矯正したうえでの視力が基準になります。
視力検査は所定の視力表による測定が前提で、検査条件が整っていないと結果の信用性が下がることがあります。検査日、測定方法、矯正の内容(眼鏡かコンタクトか等)を診療録や検査票に記録します。
検査が複数回行われた場合に数値がぶれることもあります。そのときは、治療経過や症状固定時点での安定した数値を示し、見え方の困難さが日常生活や業務にどう影響しているかを具体化することが重要です。
耳の障害で後遺障害6級となるケース
耳の障害で後遺障害6級となる典型は、両耳の高度難聴、または片耳の聴力を失い他耳も高度難聴に近い状態などです。判断では、純音聴力レベル(どのくらいの音量で聞こえるか)や、語音明瞭度(言葉としてどの程度聞き取れるか)といった検査指標が使われます。
難聴は本人の自覚と検査結果が一致しないことがあり、そこを疑われると後遺障害の認定が難しくなります。検査は同一条件で複数回実施されることもあるため、検査票を保管し、補聴器の使用状況、騒音環境での聞き取り困難などを具体的に記録しておくのがよいです。
仕事上の支障は、会話ができないという抽象表現より、電話応対が不可能、機械の警報音が認識できない、複数人の会議で聞き漏れが多いなど、場面とリスクをセットで示すと効果的です。
口の障害で後遺障害6級となるケース
口の障害では、咀嚼機能または言語機能に著しい障害が残る場合が後遺障害6級の対象になります。ポイントは、歯の本数だけではなく、かみ合わせ、顎の開閉運動、舌や口唇の運動、補綴の状況などを含めて、実際に食べられるか、話せるかで評価される点です。
咀嚼の著しい障害は、食事形態が大きく制限される状態が典型です。何が噛めないのか、固形物がどの程度無理なのか、嚥下との関係も含め、医師や歯科医師に食事形態の実態を伝え、診断書に具体的に反映してもらうことが重要です。
言語の著しい障害は、発音できる音の範囲が限定されるなど、客観的に説明できる状態が中心になります。通院先が労災の等級評価に不慣れな場合もあるため、発音テストの結果や日常会話での支障がどの程度かを整理して、記載漏れを防ぐことが重要です。
せき柱・体幹の障害で後遺障害6級となるケース
せき柱の障害で後遺障害6級が問題になるのは、著しい変形、著しい運動障害、または支持機能の重大な低下がある場合です。外見や痛みの強さだけで決まるのではなく、X線、CT、MRIなどの画像所見や、固定術の有無、変形の程度が中心になります。
実務で争点になりやすいのは、画像所見があっても診断書に十分反映されていないケースです。圧迫骨折や脱臼、術式、固定範囲などが診断書で明確になっているか、画像の写しや読影所見を添付できるかが重要です。
また、装具を常時必要とするかどうかは、支持機能の評価に影響し得ます。装具の種類、常時使用の必要性、使用しない場合の転倒リスクや就労困難を、医師所見と整合する形で整理しておくと認定判断に役立ちます。
上肢・手指の障害で後遺障害6級となるケース
上肢では、肩・肘・手首といった三大関節のうち二つの関節が実質的に使えない状態(用廃)が代表例です。用廃は、強直や重度麻痺、または人工関節などで可動域が大きく制限される状態が問題になります。単に痛い、動かしにくいだけでは足りず、可動域測定や麻痺所見が重要です。
手指では、片手の5指、または母指を含む4指を失った場合などが後遺障害6級に該当し得ます。ここでの「失う」は切断の部位に定義があり、どの関節より近位で失われたかが認定上のポイントになります。
診断書作成では、可動域の数値、強直の程度、麻痺の内容、切断部位、握力低下だけでは説明できない巧緻動作の障害などを漏れなく記載してもらうことが大切です。仕事で必要な動作(工具の操作、書字、荷物把持など)と結びつけて説明できると、後遺障害の実態が伝わりやすくなります。
下肢の障害で後遺障害6級となるケース
下肢でも、股・膝・足首の三大関節のうち二つの関節が用廃となる場合が後遺障害6級の代表例です。歩けるかどうかだけでなく、可動域、麻痺、人工関節の機能、装具の必要性などが総合的に見られます。
歩行が可能でも、屋外移動が著しく制限される、段差や階段が困難、長時間の立位保持ができないといった制限が強い場合があります。この場合も、リハビリ記録や医師所見、可動域測定を通じて、制限の原因が関節機能の重大な低下にあることを示すことが重要です。
労災の後遺障害6級のまとめ
労災保険において、6級の後遺障害と認定されるのは、次の場合です。

後遺障害6級でもらえる給付の種類と金額の目安
労災の後遺障害6級に認定されると、障害補償年金・障害特別支給金・障害特別年金など複数の給付が対象となります。
障害補償年金の支給額は、原則として給付基礎日額(労災発生日または診断日直前3ヶ月間に支払われた賃金総額を、その期間の総日数で割って算出された金額)に所定日数(後遺障害6級は156日分)を掛けた金額が、障害が残る限り毎年支給されます。給付基礎日額は平均賃金をベースに決まるため、同じ等級でも賃金水準で受給額は変わります。
障害特別支給金は、後遺障害6級に該当した場合に年金とは別枠で支給される一時金です。年金が「継続的な補償」を担うのに対して、障害特別支給金は労災事故後の負担を幅広く補う趣旨の給付として位置づけられます。
障害特別年金は、障害補償年金に上乗せされる形で支給される給付です。ベースとなる障害補償年金が給付基礎日額で計算されるのに対し、障害特別年金は算定基礎日額で計算されます。算定基礎日額とは、労災事故発生日の直前1年間の賞与を365日で割って計算します。
後遺障害6級の障害補償給付の計算
具体的なケースで、6級の障害補償給付の金額を計算してみます。
毎月の給料が月額30万円、1年間の賞与が60万円の労働者が10月1日に労災事故にまきこまれてしまい、後遺障害6級と認定されたケースで、障害補償給付の金額を計算すると、次のとおりとなります。
①障害補償年金
まずは、直近3ヶ月間の給付基礎日額を計算します。
7月は31日、8月は31日、9月は30日なので、(30万円+30万円+30万円)÷(31日+31日+30日)=9,782.6
1円未満の端数は、1円に切り上げるので、給付基礎日額は、9,783円となります。
6級の場合、障害補償年金は、給付基礎日額の156日分が支給されますので、9,783円×156日=1,526,148円が、1年間の年金額となります。
②障害特別年金
まずは、直近1年間の算定基礎日額を計算します。
1年間の賞与が60万円なので、365日で割ると、60万円÷365日=1,643.8となり、1円未満の端数は1円に切り上げるので、算定基礎日額は、1,644円となります。
6級の場合、障害特別年金は、算定基礎日額の156日分が支給されますので、1,644円×156日=256,464円となります。
③障害特別支給金
6級の場合の障害特別支給金は、192万円です。

後遺障害等級認定の流れ(申請〜結果通知)
労災の後遺障害の申請は症状固定後に必要書類を整えて労働基準監督署へ提出し、審査を経て等級認定の結果通知を受ける流れです。
大まかな流れは、症状固定の確認、後遺障害診断書の作成、必要資料の収集、労働基準監督署への提出、審査、結果通知という順番です。提出後に追加資料を求められることもあるため、診療録や検査結果を整理しておくと対応がスムーズです。
後遺障害の等級認定は、障害等級表に当てはまるかを客観資料で判断する手続です。
後遺障害の申請前に、どの類型で後遺障害6級を狙うのかを明確にし、その類型が要求する検査や所見が揃っているかを点検するようにしてください。
後遺障害診断書と提出書類のポイント
後遺障害診断書では、症状固定日、残存する症状、検査結果や画像所見、日常生活と就労への影響が中心項目です。特に症状固定日は、給付や他制度との関係でも基準日になるため、いつ、なぜ固定と判断したのかが説明できる形になっていることが重要です。
診断書は医師が作成しますが、記載の材料は患者側が整理して提供することが効果的です。たとえば、視力・聴力なら検査票、脊柱なら画像と読影所見、関節なら可動域測定の結果、手指なら手術記録や切断部位の資料など、類型に合わせて添付資料をそろえます。
また、日常生活・就労への影響は、抽象的な困難よりも、できない動作、頻度、代替手段、危険性を具体化して医師に伝えると、診断書の説得力が増します。受診時にメモを持参し、症状の一貫性が伝わるように説明するのがよいです。
労働基準監督署の審査・面談で見られる点
労働基準監督署での審査では、まず業務起因性(仕事が原因の負傷か)と、受傷から症状固定までの経過の整合が確認されます。そのうえで、障害が等級表の要件に当たるかを、診断書と客観資料で判断します。
面談や照会がある場合は、症状の経過が一貫しているか、検査が客観的か、生活や就労の制限が具体的かが見られやすいです。質問に対しては、検査結果と一致する範囲で具体例を挙げるほうがよいです。
準備として、労災事故状況の説明、治療経過、現在の症状、できないことの具体例を時系列で整理しておくのがよいです。提出した資料と矛盾しない説明を心がけ、必要があれば追加検査や医師照会に備えることが重要です。

損害賠償請求
労災給付は無過失補償ですが、会社の安全配慮義務違反などがあれば、別途損害賠償(慰謝料・逸失利益等)を請求できる可能性があります。
労災保険は、原則として過失の有無を問わず補償が受けられる制度です。一方で、労災事故が会社の安全配慮義務違反などによって起きた場合には、労災保険とは別に会社へ損害賠償を請求できる可能性があります。
この賠償は、労災で埋まらない部分を補う役割を持ちます。労災の年金は生活補償として重要ですが、精神的損害や将来の収入減の全てが補償されるわけではないため、労災事故状況次第では賠償請求の検討価値があります。
ただし、損害賠償請求できるかは会社側の落ち度の有無、注意義務違反の内容、労災事故の予見可能性や対策の有無など、証拠と事実関係で決まります。
安全配慮義務違反
会社に損害賠償を請求するには、労災が起きたことに加えて、会社の法的責任(安全配慮義務違反等)を根拠づけることが必要です。
会社への損害賠償請求は、労災認定があるだけで必ず認められるわけではありません。労災事故が業務中に起きたことに加えて、会社が安全に働ける環境を整える義務を怠ったなど、法的責任を具体的に主張立証する必要があります。
典型は安全配慮義務違反です。安全配慮義務とは、労働者の生命・健康を危険から保護するように、会社が配慮する義務をいいます。会社が、労働安全衛生法令やガイドラインに違反していた場合、安全配慮義務違反が認められます。
例えば、危険作業に対する安全教育が不十分だった、保護具が支給されていない、機械の安全装置が不備、作業手順が形骸化していた、過重労働で注意力が低下する環境だったなど、労災事故につながる会社の管理上の問題が焦点になります。
労災事故が発生した会社に、労働安全衛生法令やガイドラインに違反していなかったについて、検討します。その結果、会社に労働安全衛生法令やガイドラインの違反が認められた場合、安全配慮義務違反があったとして、会社に対して、損害賠償請求をします。
責任の立証では、労災事故状況の客観資料が重要です。現場写真、設備点検記録、マニュアル、KY活動記録、シフト表、同僚の証言など、会社側が管理している資料ほど後から入手しにくいため、早期に確保することが重要です。
労災保険とは別に請求できる損害賠償金(慰謝料・逸失利益など)
労災保険は一定の給付を行いますが、会社に安全配慮義務違反等がある場合などは、別途「損害賠償」として慰謝料や逸失利益、休業損害の差額などを請求できることがあります。
労災保険は、原因が誰にあるかを問わず一定の補償をする制度ですが、だからといって被害がすべて補償されるわけではありません。特に慰謝料は、労災保険の枠組みには存在せず、会社側に責任があるときに民事上の損害賠償として問題になります。
入通院慰謝料
入通院慰謝料は、入院や通院を余儀なくされた精神的苦痛に対する慰謝料です。入院期間、通院期間・頻度、けがの程度、治療内容などの客観事情から算定されます。例えば、入院2ヶ月、通院3ヶ月の場合、入通院慰謝料は、154万円になります。
慰謝料は感覚的な話に見えますが、通院実日数や診療録、治療計画の整合性が重視されます。
後遺障害慰謝料
後遺障害慰謝料は、完治せず後遺障害が残ったことによる精神的苦痛に対する慰謝料です。等級に応じた相場があり、6級の後遺障害慰謝料は、1180万円が相場です。
後遺障害慰謝料は、後遺障害等級が前提になるため、認定資料の精度がそのまま金額に直結します。後遺障害6級を取り切れるか、併合の評価が適切かといった点も含めて確認が必要です。
逸失利益
逸失利益は、後遺障害で将来の労働能力が落ち、得られたはずの収入が減る損害をいいます。逸失利益は、基礎収入×労働能力喪失率×労働能力喪失期間に対応するライプニッツ係数で計算します。
基礎収入とは、労災事故の前年の年収のことです。
労働能力喪失率は、後遺障害によって、労働者の労働能力がどれくらいの割合で喪失したかを算出するものです。後遺障害6級の労働能力喪失率は目安として67%となります。
労働能力喪失期間は、後遺障害による労働能力が喪失された期間のことで、原則として、67歳から症状固定時の年齢を差し引いて計算します。
仮に40歳で症状固定した場合、労働能力喪失期間は、27年間となります。
ライプニッツ係数とは、労災事故などの損害賠償金に生じる中間利息を控除するための係数です。逸失利益の損害賠償請求では、将来にわたる損害賠償金を一度に受け取ることなります。その損害賠償金を運用すると利息が生じるので、この利息分を控除するために、ライプニッツ係数を使用します。27年に対応するライプニッツ係数は、18.3270です。
年収420万円の被災労働者のケースで逸失利益を計算すると、次のとおりとなります。
420万円×67%×18.3270=51,572,178円
この逸失利益の金額から、障害補償給付のうち、障害補償年金を控除します。障害補償給付のうち、障害特別年金と障害特別支給金は控除されません。
障害補償年金を1年分1,281,573円受給した場合、会社に対して請求できる逸失利益は、51,572,178-1,526,148=50,046,030円となります。
このように、逸失利益は、数千万円規模になるケースも珍しくありません。
示談交渉から支払いまでの進め方
損害賠償請求は、証拠の収集→損害の算定→請求→交渉→合意(示談)→支払い、という流れで進みます。
示談交渉においては、労災事故状況と責任の根拠、後遺障害の内容、収入への影響、各費目の計算根拠を揃え、説得的に主張していくことで、結果として早期解決もしやすくなります。
交渉の順序としては、まず後遺障害等級を確定させ、損害を算定し、内容証明等で請求を行い、相手の回答を踏まえて調整し、合意に至れば示談書を作成して支払いを受けます。
示談交渉でまとまらない場合には、損害賠償請求の訴訟を提起します。

弁護士に相談・依頼するメリット
労災の後遺障害6級は損害額が高額になりやすく、安全配慮義務違反の立証や過失相殺、後遺障害の医学的立証が争点になりがちです。弁護士に相談することで今後の見通しと手続の進め方についてアドバイスがもらえます。
労災の後遺障害6級では、慰謝料と逸失利益だけで大きな金額になり得る一方、過失相殺、労働能力喪失率の争いによっては、認められる損害賠償額が大きく変わります。
弁護士に相談すると、会社への請求見込みの評価、必要証拠の洗い出し、後遺障害診断書や検査の準備、損害額の算定、相手方との交渉戦略等について適切に対応してくれます。特に安全配慮義務違反の立証は、どの条項やガイドラインに違反しているかの調査が重要になり、会社に対する損害賠償請求については、弁護士に依頼することをおすすめします。
労災の後遺障害6級のまとめ
労災の後遺障害6級は年金給付の対象となる重要な等級で、症状固定の時点整理、該当基準の特定、診断書・検査所見など客観証拠の準備が認定結果を左右します。
労災の後遺障害6級は、年金が支給される上位等級であり、生活再建に与える影響が大きい等級です。その分、認定は等級表の要件に沿って厳密に行われ、客観資料の有無が結果を左右します。
重要なのは、症状固定の時点を適切に整理し、どの類型で評価されるのかを早めに特定したうえで、診断書、検査結果、画像所見、可動域測定などを不足なくそろえることです。
後遺障害の認定の後に、会社に対して、安全配慮義務違反が認められる場合には、損害賠償請求を検討します。後遺障害6級は、逸失利益と慰謝料の金額が高額になる傾向にあります。
後遺障害の認定や損害賠償請求について、お悩みの場合には、ぜひ弁護士へご相談ください。
弁護士による労働災害の相談実施中!
弁護士法人金沢合同法律事務所では、初回相談無料となっております。
まずは弁護士にご相談いただき、ご自身の状況や今後の動きについて一緒に考えていきましょう。
労働災害に強い弁護士が、あなたの抱えている不安を解消し、明るい未来を切り拓きます。

この記事を書いた弁護士
徳田隆裕(とくだ たかひろ)
弁護士法人金沢合同法律事務所 弁護士
2010年弁護士登録。労働者側での労働事件を専門として、解雇、残業、労災といった労働問題で困っている労働者を笑顔にするために、日々弁護活動を行っています。「労働弁護士徳田タカヒロ」というYouTubeチャンネルで、労働問題についての情報発信をしています。
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