労災の治療中にすべきことについて弁護士が解説
1 適切な検査や治療を受ける
会社で仕事をしていたところ、労災事故に巻き込まれてしまいました。
現在、労災保険を利用して、治療をしているのですが、今後どのように手続をすすめていけばよいのかわからず、不安です。どうすればいいのでしょうか。
まずは、治療に専念し、症状固定後に、障害補償給付の申請をし、場合によっては、会社に対する損害賠償請求を検討します。
労災事故に巻き込まれて、けがを負った場合、できるだけ早く病院へ行き、適切な治療を受けてください。
労災事故の直後に病院を受診することで、けがの悪化を防ぎ、早期に回復できる可能性が高くなります。
労災事故の直後に、病院で治療を受けていないと、そのけがが、労災事故によって生じたものなのかがわからなくなることがありえます。
例えば、労災事故からある程度時間が経過してから、通院した場合、労災事故後に別の出来事でけがを負ったと判断されてしまうリスクがあります。
そのため、労災事故によってけがを負ったことを明確にするためにも、早急に、病院で治療を受けてください。
また、痛みのある部分については、早急に、レントゲンやMRI等の検査を受けてください。
労災事故直後のレントゲンやMRIの画像データがあることで、けがの証明が容易になり、後遺障害の申請や損害賠償請求で、有利になることがありえます。
ですので、労災事故に巻き込まれて、けがを負った場合は、早急に、必要な治療と検査を受けてください。
治療を継続していくと、ある時点で、現代の医学では、これ以上治療しても症状がよくならなくなる状態となります。
この状態を症状固定といいます。
すなわち、症状固定時点で、残ってしまった悪しき症状で、労働能力の喪失を伴うものを、後遺障害といいます。
症状固定後に、労災保険の障害補償給付の申請をして、後遺障害と認定された場合、労災保険から、後遺障害の等級に応じた補償を受けることができます。
後遺障害が残った場合、労災保険から、年金または一時金が支給されることで、後遺障害によって、労働能力が失われたことによる収入の減少に対する補償がなされ、今後の生活が安定します。
その後、労災保険からの補償では足りない損害について、会社に対して、損害賠償請求をすることを検討します。
2 労災の治療中に弁護士に法律相談するメリット
労災の治療中に、なるべく早く弁護士に法律相談をすることをおすすめします。
労災の治療中に弁護士に法律相談するメリットとして、次の3つがあげられます。
1つ目は、労災の申請書の書き方が理解できることです。
労災の申請書に、「災害の原因及び発生状況」という欄があります。
この欄に、どのような労災事故が発生したのかを正確に記載する必要があります。
弁護士に法律相談をすることで、この欄に、どのように記載すべきかについて、適切なアドバイスを受けることができます。
2つ目は、証拠を確保できることです。
例えば、長時間労働によって、脳や心臓の病気を発症した場合、1ヶ月の残業時間が80時間から100時間であったことを証明する必要があります。
そのためには、1ヶ月の残業時間を証明するためのタイムカードやパソコンのログデータ、メールの送信時刻などの証拠を確保する必要があります。
会社が、残業時間を証明するための証拠を破棄してしまうおそれがある場合、証拠保全という裁判手続を利用して、証拠を確保することを検討します。
早急に、弁護士に法律相談をすることで、どのような証拠を、どのタイミングで、どのようにして集めるべきかについて、適切なアドバイスを受けることができます。
3つ目は、後遺障害や損害賠償請求について理解できることです。
早急に弁護士に法律相談をすることで、どのタイミングで、後遺障害の申請をするのか、会社に対する損害賠償請求が認められる見込みがあるのかがわかり、今後の手続の流れが理解でき、安心できます。
労災申請や損害賠償請求について、早目に弁護士からアドバイスをもらうことで、次に何をすべきかが明確になり、安心できます。
このように、労災の治療中に、早目に弁護士に法律相談をすることで、漠然とした不安が、安心に変わります。
当事務所では、労災事故にあわれた方の不安を少しでも軽減するために、初回の法律相談は無料で対応しておりますので、電話、メール、LINEで、お気軽にお問い合わせください。
私たちの持てる知識と経験を活かして、労災事故にあわれた方の未来が少しでも明るいものになるように親身に寄り添い、真剣に対応させていただきます。
労災事故でお悩みの方は、ぜひ、当事務所へご相談ください。
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