労災事件を弁護士に依頼する3つのメリットとは?
1 適正な後遺障害の認定を受けられる
会社で働いている時に、労災事故にまきこまれてしまい、けがを負ってしまいました。
労災保険を利用したいのですが、会社が対応をしてくれません。
後遺障害の申請や会社に対する損害賠償請求をどうすればいいのかわかりません。
労災事件を弁護士に依頼したほうがいいのでしょうか。
結論から先に言いますと、弁護士に依頼することで、①適正な後遺障害の認定を受けられる、②交渉による速い解決が実現できる、③正当な損害賠償請求ができる、という3つのメリットがあります。
今回の記事では、労災事件を弁護士に依頼する3つのメリットについて、わかりやすく解説します。
1つ目のメリットは、適正な後遺障害の認定を受けられることです。
労災事故にまきこまれて、けがをしてしまい、治療を継続していても、現在の医学では、これ以上治療をしても、症状がよくならない状態になることがあります。
これ以上治療をしても、症状がよくならない状態になったことを、症状固定といいます。
症状固定の時点において、残っている悪しき症状のことを後遺障害といいます。
後遺障害によって、労働者の労働能力が低下することによる、収入の減少に対する補償として、労災保険の障害補償給付があります。
労災保険の障害補償給付は、後遺障害の等級によって、支給される補償金額が変わります。
後遺障害の等級が1つ変わるだけで、数十万円から百万円も、受給できる補償金額が変わることがあるのです。
そのため、適正な後遺障害の等級認定を受けなければ、労災保険から支給される金額が少なくなり、損をしてしまうリスクがあるのです。
このように、労災の後遺障害では、適正な等級認定を受けることが重要になるところ、弁護士に、後遺障害の等級認定のサポートを依頼することで、適正な後遺障害の等級認定を受けられる可能性が高くなります。
具体的には、後遺障害の専門的な知識を有する弁護士が、被害者と共に、主治医と面談をして、後遺障害の診断書に漏れなく、必要な事項を記載してもらうように、依頼をすることで、適正な後遺障害の等級認定を受けられる可能性が高くなります。
他にも、弁護士は、被害者から、症状や日常生活での不自由さ、労働能力の低下について、必要な聞き取りをし、自己申告書という資料の作成のサポートをして、労働基準監督署に対して、被害者の現状を正確に伝えることで、適正な後遺障害の等級認定を受けられる可能性が高くなります。
このように、後遺障害の等級認定のサポートを弁護士に依頼することで、適正な後遺障害の等級認定を受けられる可能性が高くなります。
また、労働者が会社に対して、労災申請のお願いをしても、会社が拒否してくることがあるので、弁護士に労災申請のサポートをお願いすることもできます。
会社は、労災事故の存在が労働基準監督署に発覚することで、行政指導や刑事告発されることや、労災保険料が増額されることを恐れて、労災事故があったことを隠蔽することがありえます。
このような労災隠しは、犯罪に該当する悪質な行為です。
会社の労災隠しにあったとしても、弁護士に労災申請のサポートを依頼することで、問題なく、労災申請をすることができ、労災と認定されれば、労災保険から補償を受けられ、安心して治療に専念できます。
2 交渉による速い解決が実現できる
2つ目のメリットは、交渉による速い解決が実現できることです。
労災の後遺障害の等級認定を受けた後、次にするべきことは、会社に対する損害賠償請求の検討です。
なぜならば、労災保険からの給付だけでは、労災事故によって被った、労働者の全ての損害を補償することはできないからです。
例えば、労災事故によるけがによって、後遺障害が残った場合、労働者の労働能力が一定程度失われて、収入が減少します。
そのため、後遺障害がなければ、本来もらえるはずであったにもかかわらず、後遺障害によって、将来もらえなくなった収入が損害となります。
この損害のことを逸失利益といいます。
労災保険からは、この逸失利益の一部は補償されますが、逸失利益の全てが補償されるわけではありません。
また、労災保険からは、労働者が被った精神的苦痛に対応する慰謝料の支給はありません。
このように、労災保険からの支給では足りない逸失利益や、慰謝料について、会社に対して、損害賠償請求ができないかを検討することになります。
検討の結果、会社に対する損害賠償請求の見込みがある場合、いきなり、裁判を起こすのではなく、労働者の代わりに、弁護士が会社と交渉をして、示談で解決できないかを模索します。
労働者の代理人の弁護士が、会社に通知書を送付すれば、会社にも代理人の弁護士が就くことが多く、代理人同士の交渉で示談がまとまることがあります。
このように、労災事故の損害賠償請求が示談交渉で解決する最大のメリットは、裁判を経ることなく、事件が速く解決することにあります。
すなわち、労働者は、労災事故にまきこまれて、ただでさえ、苦しい状況であるにもかかわらず、会社に対する損害賠償請求が長引きますと、精神的な負担が続くのですが、示談交渉で損害賠償請求が速く解決することで、この精神的な負担から速く解放されます。
精神的な負担から速く解放されることで、未来に向けた、前向きな第一歩を踏み出すことができるのです。
また、会社とのやりとりを弁護士に任せることができますので、不誠実な対応をしていた会社と直接やりとりをするストレスから解放されます。
労災事故によって負傷した労働者は、治療のために、会社を休業している場合、今後の仕事や生活のことで不安になります。
その上、労災事故の発生について、会社側の責任が大きいにもかかわらず、労災事故後に、負傷した労働者を見舞うことを何もしていない場合、労働者は、会社に対して、不信感をつのらせます。
このような不誠実な対応をする会社と、やりとりをすること自体が、労災事故によって負傷した労働者にとってストレスなのです。
労災の損害賠償請求の示談交渉を弁護士に任せることで、労働者は、会社との直接のやりとりというストレスから解放せれることも、大きなメリットです。
3 正当な損害賠償請求ができる
3つ目のメリットは、正当な損害賠償請求ができることです。
労災事故について、会社に対して、損害賠償請求をするためには、会社に安全配慮義務違反が認められなければなりません。
安全配慮義務とは、労働者の生命・健康を危険から保護するように、会社が配慮する義務をいいます。
労災事故では、会社に、労働安全衛生法令やこれに関する通達に違反している場合に、安全配慮義務違反が認められます。
例えば、高い場所で工事作業をしていたところ、労働者が転落した労災事故の場合、会社は、転落防止のための囲いを設置する、防網を張る、労働者に安全帯を使用させる、といった安全対策を実施しなければなりません。
会社がこのような安全対策を何もせずに、労働者が転落して負傷したのであれば、会社に安全配慮義務違反が認められることになります。
このように、労災事故の発生状況から、会社に、労働安全衛生法令違反がないかを分析し、会社の安全配慮義務違反が認められるかについて、慎重に検討し、会社に対する損害賠償請求の見通しをたてます。
会社に安全配慮義務違反が認められるのかの検討については、労災の専門知識を有する弁護士にご相談することをおすすめします。
また、会社に安全配慮義務違反が認められたとしても、いくらくらいの損害賠償請求ができるのかを見極める必要があります。
会社に対して、いくらくらいの損害賠償請求ができるのかを検討する上で、重要になるのが、過失相殺です。
通常、労災事故の発生には、労働者の不注意が関与していることが多いです。
労災事故の発生に、労働者の不注意も関与していた場合、労働者の不注意の程度に応じて、損害賠償請求の金額が減額されてしまいます。
これを過失相殺といいます。
この過失相殺で、何割くらい、損害賠償の金額が減額されるのかについては、労働者の不注意の程度によって変わってきますので、ケースバイケースで判断していくことになります。
弁護士は、過去の裁判例をもとに、今回の事件では、どれくらいの過失相殺がされるのかについて、予測します。
このように、会社に対して、いくらの損害賠償請求が妥当なのかについては、労災事件についての専門知識が必要となりますので、弁護士に判断してもらうことをおすすめします。
以上、弁護士に依頼することで、①適正な後遺障害の認定を受けられる、②交渉による速い解決が実現できる、③正当な損害賠償請求ができる、という3つのメリットがあります。
労災事故にまきこまれてしまい、お悩みの場合には、ぜひ、当事務所へご相談ください。
労災の法律相談は無料ですので、電話、メール、LINEでお問い合わせください。
弁護士による労働災害の相談実施中!
弁護士法人金沢合同法律事務所では、初回相談無料となっております。
まずは弁護士にご相談いただき、ご自身の状況や今後の動きについて一緒に考えていきましょう。
労働災害に強い弁護士が、あなたの抱えている不安を解消し、明るい未来を切り拓きます。