後遺障害が残ると言われた方へ

1 労災の後遺障害とは

 

 

 労災事故でけがを負い、治療をしていたところ、主治医から、後遺障害が残るかもしれないと言われました。

 

 主治医から、後遺障害が残るかもしれないと言われた場合、どのようにして手続きをすすめていけばいいのでしょうか。

 

 結論から先にいいますと、主治医に、労災保険の後遺障害の診断書を作成してもらい、労働基準監督署に対して、障害補償給付の申請をします。

 

 今回の記事では、労災の後遺障害について、わかりやすく解説します。

 

 まず、労災事故にまきこまれてしまい、けがをして、治療をしていますと、完治して、以前と同じように働くことができる場合があります。

 

 他方、治療を継続していても、現在の医学では、これ以上治療をしても、症状がよくならない状態になることがあります。

 

 これ以上治療をしても、症状がよくならない状態になったことを、症状固定といいます。

 

 そして、症状固定の時点において、残っている症状のことを後遺障害といいます。

 

 すなわち、労災事故が発生する前と比較して、労働者にとって悪しき症状が残っており、以前と同じように働くことが困難な状態になっていることを、後遺障害といいます。

 

2 後遺障害の等級認定の重要性

 

 

 後遺障害が残ると、通常、労働者の労働能力が低下します。

 

 そして、労働能力が低下すれば、以前と同じように働くことが困難となり、収入が減少します。

 

 後遺障害によって、労働能力が低下することによる、収入の減少に対する補償として、労災保険の障害補償給付があります。

 

 労災保険の障害補償給付は、後遺障害の等級によって、支給される補償金額が変わります。

 

 後遺障害の等級は、重い方の1級から、軽い方の14級まであります。

 

 1級から7級までは、障害補償年金が支給され、2ヶ月に1回、継続的に、労災保険から年金が支給されます。

 

 8級から14級までは、障害補償一時金が支給され、労災保険から、一度だけ、まとまった補償金が支給されます。

 

 ここで、等級によって、支給される金額の差を、わかりやすく説明するために、8級から14級の障害補償一時金を具体例としてとりあげます。

 

 障害補償一時金は、給付基礎日額という、労災事故発生前3ヶ月間の賃金の総支給額を日割り計算したものの、何日分という形式で支給されます。

 

 例えば、給付基礎日額が9,000円の場合、8級から14級までの障害補償一時金は、次のように計算されます。

 

 8級 9,000円×503日分=4,527,000円

 9級 9,000円×391日分=3,519,000円

10級 9,000円×302日分=2,718,000円

11級 9,000円×223日分=2,007,000円

12級 9,000円×156日分=1,404,000円

13級 9,000円×101日分=909,000円

14級 9,000円×56日分=504,000円

 

 このように、後遺障害の等級が1つ変わるだけで、数十万円から百万円も、受給できる金額が変わることが分かります。

 

 すなわち、適正な後遺障害の等級認定を受けなければ、労災保険から支給される金額が少なくなり、損をしてしまうリスクがあるのです。

 

 また、会社に対して損害賠償請求をする場合、後遺障害の等級に応じて、逸失利益(労災事故がなければ将来得られたであろう収入のこと)や慰謝料の金額が変わります。

 

 そのため、後遺障害の等級によって、労災保険から支給される補償の金額や、会社に対して請求できる損害賠償の金額が変わりますので、適切な後遺障害の等級認定を受けることが、とても重要になるのです。

 

 労災の後遺障害の等級認定を受けるためには、主治医に、後遺障害の診断書を作成してもらい、労働基準監督署に、障害補償給付の申請書を提出します。

 

その後、労働基準監督署において、面談を受け、労働基準監督署から、後遺障害に該当するか否か、該当する場合、何級の後遺障害に該当するのかについて、通知が届きます。

 

労働基準監督署からの通知とほぼ同じタイミングで、労災保険から、障害補償給付の補償金が振り込まれます。

 

3 弁護士に依頼するメリット

 

 

 このように、労災の後遺障害では、適正な等級認定を受けることが重要になりますところ、弁護士に、後遺障害の等級認定のサポートを依頼することで、適正な後遺障害の等級認定を受けられる可能性が高くなります。

 

 労災の後遺障害の等級認定では、主治医の後遺障害の診断書が重要になります。

 

 もっとも、医師は、治療については、専門家ではありますが、後遺障害について、専門的な知識を有しているとは限りません。

 

 主治医が、後遺障害の専門的な知識を有しておらず、後遺障害の診断書に記載漏れがあった場合、適正な後遺障害の等級認定が受けられないリスクがあります。

 

 そこで、後遺障害の専門的な知識を有する弁護士が、被害者と共に、主治医と面談をして、後遺障害の診断書に漏れなく、必要な事項を記載してもらうように、依頼をすることで、適正な後遺障害の等級認定を受けられる可能性が高くなります。

 

 労災の後遺障害では、関節の可動域制限が見過ごされる可能性があります。

 

 例えば、肩関節の可動域が、健康な肩の可動域と比較して、4分の3以下に制限されていれば、12級の後遺障害に該当し、2分の1以下に制限されていれば、10級の後遺障害に該当します。

 

 主治医が可動域制限を見過ごしてしまった場合、12級や10級の後遺障害の等級認定を受けられないリスクがあります。

 

 弁護士が、主治医に対して、可動域制限の測定を依頼することで、可動域制限の見過ごしを回避することができます。

 

 また、被害者が、自身の症状である痛みやしびれ、日常生活で不自由をしていること、労働能力が低下したことなどを、労働基準監督署に対して、正確に伝える必要があります。

 

 弁護士は、被害者から、症状や日常生活での不自由さ、労働能力の低下について、必要な聞き取りをし、自己申告書という資料の作成のサポートをして、労働基準監督署に対して、被害者の現状を正確に伝えます。

 

 このように、後遺障害の等級認定のサポートを弁護士に依頼することで、適正な後遺障害の等級認定を受けられる可能性が高くなります。

 

 当事務所では、後遺障害の等級認定のサポートに力をいれておりますので、労災の後遺障害でお悩みの方は、ぜひ当事務所へご相談ください。

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