コロナで会社が休みになった期間の給料はどうなる?【弁護士が解説】

Q.新型コロナウイルスの感染拡大を理由に会社が休みになってしまいました。
会社が休んでいる期間の給料はどうなるのでしょうか。

A.いわゆる新型コロナ特措法45条2項に基づく都道府県知事の休業要請に応じた休業か否かによって、判断が別れますので、弁護士に相談することをおすすめします。

 

まず、会社が労働者に働いてもらうことが可能であるにもかかわらず、会社の判断で休業する場合、会社の故意や過失があったと考えられ、労働者は、会社に対して、給料の全額を請求できます(民法536条2項)。

 

次に、会社が休業することについて、故意や過失はないものの、会社側の領域において生じた経営上の障害を理由とする休業の場合には、労働者は、会社に対して、平均賃金の6割以上の休業手当を請求できます(労働基準法26条)。

 

もっとも、会社が不可抗力によって、休業する場合には、労働者は、会社に対して、休業手当の請求ができません。

 

そのため、新型コロナウイルスの感染拡大が不可抗力といえるかが問題となります。

 

この不可抗力といえるかの判断が難しく、新型コロナ特措法45条2項に基づく都道府県知事の休業要請に応じたか否かによって判断が分かれると考えられます。

 

2020年3月16日に緊急事態宣言の対象区域が全国に拡大され、石川県は、特定警戒都道府県に指定されました。

 

新型コロナ特措法45条2項に基づき、都道府県知事は、バー、ネットカフェ、ライブハウスなどの遊興施設、映画館などの娯楽施設に対して、休業要請ができます。

 

会社が都道府県知事から、新型コロナ特措法45条2項に基づく休業要請を受けた場合、会社は、事実上、休業要請に従うことになると考えられます。

 

このような場合は、不可抗力による休業になると考えられ、労働者は、会社に対して、休業手当の請求ができないと考えられます。

 

他方、会社が都道府県知事の休業要請を受けていないのに、外出自粛要請の影響で、会社の売上が減少して休業した場合は、会社側の領域において生じた経営上の障害を理由とする休業に該当すると考えられ、労働者は、会社に対して、休業手当を請求できる可能性があります。

 

緊急事態宣言が出されてからは、休業手当の請求ができるかについては、判断が難しくなってきていますので、弁護士に相談することをおすすめします。