労災後遺障害13級はいくらもらえる?補償額と会社への損害賠償請求を弁護士が解説
労災保険で治療を続けても症状が残った場合、後遺障害等級の認定を受けることで、労災保険から、障害補償給付などの給付を受けられる可能性があります。
後遺障害13級は「比較的軽い」と見られやすい一方、仕事や日常生活に支障が続くこともあり、適切な認定と受給のためには基準・手続・必要資料の理解が欠かせません。
この記事では、13級の認定基準(症状・部位別の目安)、認定までの流れ、受け取れる給付金額、会社に対する損害賠償請求について、弁護士の視点から分かりやすく解説します。

後遺障害と障害等級の基礎知識
労災の後遺障害は、単に痛みがあるというだけで自動的に認められるものではなく、等級表の基準に沿って判断されます。
まずは症状固定と等級表の考え方を理解し、どの症状がどの項目に当たるのかを早い段階から意識して準備することが、適正な認定につながります。
後遺障害とは
後遺障害とは、治療を続けてもこれ以上の改善が見込めず、将来にわたり症状が残る状態をいいます。重要なのは「完治していない」ことではなく、「医学的に回復が頭打ちになった」と評価される点です。
労災では、この回復が見込めない状態に達した時点を症状固定と呼び、症状固定後は後遺障害の評価へ移ります。
残り得る症状には、痛みやしびれといった神経症状だけでなく、関節の動きの制限、指の欠損、視力・視野の低下、臓器機能の低下などがあります。
労災保険の障害等級表の見方
障害等級は1級から14級まであり、数字が小さいほど重い障害として扱われます。給付の形も異なり、1〜7級に該当すれば年金が支給され、8〜14級に該当すれば一時金が支給されます。13級は一時金の対象になります。
等級表は部位別に項目が整理されており、欠損の有無、機能障害の程度、検査数値の基準など、客観的に当てはめられる形で規定されています。
後遺障害の判断では、医師の診断名そのものより、検査結果や計測値が要件に達しているか、残存症状が症状固定時点で明確かが重視されます。日常生活や仕事への影響は補助材料になり得ますが、まずは等級表の要件を満たす証拠を揃えることが重要です。
労災の後遺障害13級の認定基準
後遺障害13級は、障害等級表の所定の要件に該当するかどうかで判断されます。症状が軽く見られやすい分、検査所見や診断書など客観資料で要件該当性を示すことが重要です。
後遺障害の認定を獲得するためには、症状固定の前後で必要な検査を受け、診断書に部位・程度・固定時期・今後の見通しが具体的に書かれているかを確認することが重要です。
労災保険において、13級の後遺障害と認定されるのは、次の場合です。

13級に該当しやすい症状・部位
13級で典型的に問題になりやすいのは、眼、歯、胸腹部臓器、手指、下肢や足指など、生活の質や作業効率に影響する部位です。軽微に見えても、毎日の反復作業や長時間労働では支障が積み重なり、実害が大きくなることがありえます。
後遺障害の認定では、障害が残っていること自体に加えて、どの機能がどの程度落ちたのかを等級表の要件に沿って示す必要があります。例えば、視力なら数値、臓器なら検査値、指や足なら欠損の範囲や可動域、短縮なら左右差の計測です。
就労や日常生活への影響は、医師に症状を正確に理解してもらい診断書へ反映させる必要があります。どの動作で困るのか、頻度や具体例を整理して、主治医に伝えることが効果的です。
目の障害
目の障害では、視力低下、視野障害、複視、まぶたの欠損やまつげの脱毛などが13級の論点になり得ます。視力は眼鏡やコンタクトで矯正した矯正視力を基準に判断され、検査時の条件が重要です。
視野障害は、半盲や視野の狭さく、暗点などの変状がポイントで、視野検査の結果が重要になります。複視は、正面視以外で二重に見えるといった条件付きで評価されることがあり、いつ・どの方向で起きるのかを医師に伝え、検査や所見として残すことが大切です。
まぶたの欠損は、閉眼時に角膜を十分に覆えないなど機能面が問題になり、まつげの脱毛も一定範囲以上で評価対象になり得ます。見た目の問題に見えても、乾燥や異物感など機能的な支障が併存することがあるため、症状を具体的に記録しておくと説明しやすくなります。
歯の障害
歯の障害は、一定本数以上に歯科補てつを要するかがポイントになります。補てつはクラウン、ブリッジ、義歯など人工物で補う治療で、どの歯に何本、どの方法で行ったかがポイントになります。
ここでつまずきやすいのは、治療をした事実はあっても、等級判断に必要な本数や補てつの範囲が資料から読み取れないケースです。歯科の診断書や治療計画、部位と本数が分かる資料を揃えて、第三者が見ても要件該当性を確認できる状態にする必要があります。
また、同じ補てつでも、仮歯の段階なのか最終補綴なのかで症状固定の考え方が変わり得ます。症状固定の時点で治療がどこまで完了しているか、今後の見通しを歯科医に明確にしてもらうことが重要です。
胸腹部臓器の機能障害
胸腹部臓器では、胆のう、脾臓、腎臓、生殖器などで機能障害が問題になることがあります。臓器障害は外見から分かりにくいため、摘出や欠損の事実、検査数値の低下といった客観資料が特に重視されます。
例えば腎機能では、腎機能指標の数値で区分されることがあり、検査の時期や安定性が評価に影響します。数値が境目に近い場合は、単発の結果だけでなく、複数回の検査や経過が重要になり得ます。
また、臓器の機能低下は、食事制限、労作制限、服薬管理など生活上の制限として現れます。これらは等級表の要件そのものではないこともありますが、診断書に具体的な制限として書かれることで、障害の実態が伝わりやすくなります。
手の障害
手の障害では、指の欠損や関節の動きの制限、用廃に近い状態が論点になります。13級では小指の用廃や、母指の指骨の一部喪失などが典型例として挙げられます。
実務上は、欠損の範囲や可動域の程度を明確にすることが必要で、写真や画像だけでは足りず、医師の計測や所見として残すことが重要です。関節の運動障害の場合、どの関節がどの程度動かないのかを数値で示せると判断されやすくなります。
利き手かどうか、職種上どの動作に影響するかは、生活・業務上の支障を説明するうえで有効です。例えば工具の把持、細かなピンチ動作、キーボード操作など、具体的作業に結びつけて整理すると、医師にも労働基準監督署にも伝わりやすくなります。
足の障害
足の障害では、下肢短縮の左右差や、足指の欠損・用廃が争点になりやすいです。短縮は一定以上の左右差が要件となるため、計測の正確性が重要になります。
歩行や立ち仕事への影響は、痛みの有無だけでなく、歩幅の変化、疲労の出方、靴や装具の必要性などとして現れます。日常の移動ができても、長距離や段差、長時間の立位で支障が強いこともあるため、支障の出る場面を具体化しておくことが効果的です。
認定のポイント(検査・画像・診断書)
13級で最も重要なのは、主観症状を客観資料で裏付けることです。視力・視野検査、可動域測定、臓器機能検査、X線・CT・MRIなど、症状に対応した検査結果が揃っているほど、後遺障害と認定されやすくなります。
後遺障害診断書には、部位、程度、症状固定時期、今後の見通しを具体的に書いてもらうことが必要です。ありがちな不足は、痛みがあるとだけ書かれていて検査所見がない、可動域の数値がない、固定日が曖昧、日常生活上の制限が抽象的といった点です。
医師に伝える際は、できないことを並べるより、どの動作をするとどんな症状がどのくらいの頻度で起きるかを具体例で共有すると、診断書の精度が上がります。診断書は申請の中心資料になるため、完成後に内容を確認し、漏れがあれば追加の検査や補足資料を検討しましょう。

後遺障害等級が認定されるまでの流れ
後遺障害の申請は、症状固定のタイミング判断から書類作成、労働基準監督署での審査を経て結果通知に至ります。
後遺障害の手続は、症状固定の判断が出発点になります。焦って固定にすると必要な検査が揃わず、遅すぎると手続全体が長引きやすくなるため、医師と方針をすり合わせることが重要です。
後遺障害の申請では後遺障害診断書が中心となり、ここに検査結果や画像などの裏付け資料を添える形で労働基準監督署へ提出します。
審査の過程では、障害の程度だけでなく、業務上の負傷かどうか、症状固定の妥当性、提出資料の整合性が検討されます。提出物の控えを残し、何をいつ提出したかを記録しておくと、後の確認や不服申立ての場面で役立ちます。
症状固定の判断
症状固定とは、治癒したという意味ではなく、治療を続けてもこれ以上の改善が医学的に見込めない状態を指します。この時点で、残った症状が後遺障害として評価される対象になります。
主治医と相談する際は、症状の推移、今後予定している治療や手術の有無、リハビリで改善余地があるか、検査が出揃っているかを確認しましょう。等級判断は症状固定時点の状態で行われるため、評価に必要な検査を症状固定前後で計画的に受けることが大切です。
症状固定時期は、等級認定だけでなく、その後の補償や損害算定で起点として扱われることがあります。医師の判断を尊重しつつも、生活や仕事の状況を踏まえた現実的なタイミングを検討しましょう。
後遺障害診断書と請求書の準備
後遺障害診断書は主治医に作成を依頼しますが、医師が日常の困りごとまで把握していないこともあるため、症状と日常生活の支障を整理して伝えることが重要です。後遺障害診断書の記載内容は、障害の部位、程度、検査所見、可動域や視力などの数値、固定日、今後の見通し等です。
請求書類は、様式第10号の請求書に加えて、検査結果、画像、歯科資料、手術記録など必要な添付資料を揃えます。提出前に、等級表の要件を満たす根拠が、資料のどこにあるかを自分でも説明できる状態にしておくと、不備の発見につながります。
労働基準監督署の審査・面談
審査は主に書面で行われ、提出資料から等級表の要件該当性が判断されます。必要に応じて追加資料の提出を求められたり、経過や支障の確認のために面談が行われたりすることがあります。
労働基準監督署が検討する観点は、症状が本当に固定しているか、検査結果が要件に届いているか、診断書と添付資料が整合しているかです。
面談がある場合は、誇張せず、しかし曖昧にせず、いつからどの症状が残っているか、どの動作で支障が出るかを具体的に説明することが大切です。日常生活と業務の両面で困る場面を整理しておくと、説明が説得的になります。
認定結果の通知と確認ポイント
結果が出たら、認定等級と支給内容を確認します。具体的には、給付基礎日額、支給日数、特別支給金の有無など、計算の前提となる数字に誤りがないかを見ます。
想定より低い等級になったり不支給になったりした場合は、まず理由を把握することが重要です。資料不足なのか、検査結果が基準未達なのか、診断書の記載が弱いのかで、次に取るべき手段が変わります。
将来の対応に備えて、提出した診断書や検査結果、申請書類の控え、労働基準監督署とのやり取りの記録は必ず保管しましょう。不服申立てでは、どこが足りなかったかを特定し、追加資料で補うことが中心になります。

労災の後遺障害13級でもらえる給付金額
13級が認定されると、労災保険からは原則として障害補償一時金が支給されます。給付の種類と算定の基礎を理解し、金額の計算誤りや見落としを防ぎましょう。
13級は8〜14級に該当するため、労災からは障害補償給付として障害補償一時金が支給されます。年金ではないため、受け取った後の生活設計や、他に請求できる補償の検討も重要になります。
金額は給付基礎日額をもとに計算されます。これは平均賃金相当で、労災事故前の賃金状況が反映されるため、給与明細や賃金台帳の内容が実務上とても大切です。
さらに、上乗せとして障害特別支給金や障害特別一時金が支給されることがあります。
障害補償給付:障害補償一時金(14〜8級)
13級は障害補償給付の一時金の対象で、給付基礎日額に所定日数を掛けて算定します。枠組みを理解しておくと、支給決定後に金額の妥当性を自分でも検算できます。
給付基礎日額は原則として平均賃金相当で、労災事故発生日直前の3ヶ月間の賃金をもとに日額を出します。残業代や各種手当がどこまで含まれるか、欠勤が多い期間が含まれていないかなどで日額が変わり得るため、算定根拠の資料を確認することが重要です。
日額が少し違うだけでも、所定日数を掛けた最終額に差が出ます。会社が作成する賃金関係資料に誤りがないか確認しましょう。
障害特別支給金・障害特別一時金
労災には上乗せ給付として、障害特別支給金(定額)と障害特別一時金(算定基礎日額×所定日数)が用意されています。障害補償給付とは別枠のため、総額を把握するには両方を確認する必要があります。
算定基礎日額は、賞与などの特別給与を365日で割って計算されます。ボーナスがある職場では、ここが反映されるかどうかで上乗せ額に差が出るため、対象期間の支給実績を整理しておくとよいでしょう。
労災の後遺障害13級の場合障害補償給付の金額はいくらになるのか
具体的なケースで、13級の障害補償給付の金額を計算してみます。
毎月の給料が月額30万円、1年間の賞与が60万円の労働者が10月1日に労災事故にまきこまれてしまい、後遺障害13級と認定されたケースで、障害補償給付の金額を計算すると、次のとおりとなります。
①障害補償一時金
まずは、直近3ヶ月間の給付基礎日額を計算します。
7月は31日、8月は31日、9月は30日なので、(30万円+30万円+30万円)÷(31日+31日+30日)=9,782.6
1円未満の端数は、1円に切り上げるので、給付基礎日額は、9,783円となります。
13級の場合、障害補償一時金は、給付基礎日額の101日分が支給されますので、9,783円×101日=988,083円となります。
②障害特別一時金
まずは、直近1年間の算定基礎日額を計算します。
1年間の賞与が60万円なので、365日で割ると、60万円÷365日=1,643.8となり、1円未満の端数は1円に切り上げるので、算定基礎日額は、1,644円となります。
13級の場合、障害特別一時金は、算定基礎日額の101日分が支給されますので、1,644円×101日=166,044円となります。
③障害特別支援金
13級の場合の障害特別支援金は、14万円です。
以上を合計すると、988,083円(①障害補償一時金)+166,044円(②障害特別一時金)+14万円(③障害特別支援金)=1,294,127円となります。
後遺障害13級の不支給時の対応
13級は「軽微」と見られやすく、証拠が弱いと不支給や想定より低い等級になることがあります。
13級は基準の境目にある項目が多く、検査結果の数値が少し足りない、診断書に必要な数値が書かれていない、といった理由で不支給になりやすい傾向があります。本人の自覚症状が強くても、制度上は要件該当性が証明できなければ認められません。
不支給や低い等級の通知を受けても、結論だけを見て諦めるのは早計です。判断理由を読み解くと、追加の検査や意見書で補えるタイプのものと、そもそも基準に届いていないタイプのものに分かれます。
次の一手を適切にするためには、症状固定時点の資料と、現在の状態を示す追加資料を整理し、何を補強すべきかを特定することが重要です。期限のある手続が多いので、通知を受けたら早めに方針を立てましょう。
不服申立ての選択肢(審査請求・再審査請求)
不支給、不認定、等級に不服がある場合は、不服申立てとして審査請求、さらに再審査請求といった手段があります。どの手続を選ぶかは、判断理由と追加資料で覆せる見込みの有無を踏まえて決めるのが基本です。
主張を補強するには、追加検査の実施、専門医の意見書、日常生活や業務への支障を示す資料などが効果的です。例えば視野障害なら検査の種類や実施条件を整える、関節なら可動域測定を再度正確に行うなど、弱点に直結する補強が必要になります。
不服申立ては3ヶ月以内に実施する必要があり、スピードが重要になります。個人情報開示請求で、労働基準監督署の資料を取り寄せて、不服申立てにおいて、結論を覆すことができるかを検討します。

会社に対する損害賠償請求
労災給付は定型の保険給付であり、精神的損害や将来の収入減の全てをカバーしていません。労災事故の態様によっては、会社や第三者に対して民事の損害賠償を請求できる余地があります。
労災保険は治療費や休業補償、障害給付などを定型で支える一方で、精神的苦痛そのものを埋める慰謝料や、将来の収入減を完全に補う仕組みではありません。そのため、事案によっては民事の損害賠償請求を検討する価値があります。
特に13級は一時金で終わるため、長期的に働き方が変わる、業務効率が落ちて昇給が伸びない、職種転換で収入が下がるといった影響が出ると、労災給付だけでは不足しやすくなります。
後遺障害慰謝料
後遺障害慰謝料は、後遺障害が残ったことによる精神的苦痛を金銭で評価するものです。労災保険からは原則として支給されないため、会社に対して、損害賠償請求ができないかを検討します。
13級の後遺障害慰謝料は、180万円が相場です。
日常生活での支障の立証では、できないことの羅列より、生活の質がどう落ちたかを具体的に説明するのが効果的です。通院記録、医師の所見、職場での配置転換や作業制限の記録など、客観的な材料と組み合わせて主張すると評価されやすくなります。
後遺障害慰謝料の他に、入院期間や通院期間に応じた入通院慰謝料も請求できます。
逸失利益(労働能力喪失率・喪失期間)
逸失利益は、後遺障害によって将来得られたはずの収入が減ることの損害です。
逸失利益は、次の計算式で計算します。
基礎収入×労働能力喪失率×労働能力喪失期間に対応するライプニッツ係数
基礎収入とは、労災事故の前年の年収のことです。
労働能力喪失率は、後遺障害によって、労働者の労働能力がどれくらいの割合で喪失したかを算出するものです。
後遺障害13級の場合、労働能力喪失率は、9%です。
労働能力喪失期間は、後遺障害による労働能力が喪失された期間のことで、原則として、67歳から症状固定時の年齢を差し引いて計算します。
先程のケースの場合、40歳で症状固定なので、労働能力喪失期間は、27年間となります。
ライプニッツ係数とは、労災事故などの損害賠償金に生じる中間利息を控除するための係数です。逸失利益の損害賠償請求では、将来にわたる損害賠償金を一度に受け取ることなります。その損害賠償金を運用すると利息が生じるので、この利息分を控除するために、ライプニッツ係数を使用します。27年に対応するライプニッツ係数は、18.3270です。
今回のケースで逸失利益を計算すると、次のとおりとなります。
420万円×9%×18.3270=6,927,606円
この逸失利益の金額から、障害補償給付のうち、障害補償一時金を控除します。障害補償給付のうち、障害特別一時金と障害特別支援金は控除されません。
今回のケースでは、障害補償一時金が988,083円なので、会社に対して請求できる逸失利益は、6,927,606-988,083=5,939,523円となります。
13級では喪失率の考え方が争点になりやすく、形式的に一定割合で機械的に決まるというより、仕事内容と障害の関係で評価が変わります。例えば視力や手指の機能が重要な職種では、同じ等級でも実際の不利益が大きくなることがあります。
喪失期間も、年齢や働き方等で見立てが変わります。将来の働き方に現実的な制約があるなら、職務内容、必要資格、配置転換の有無、職場の評価などを材料として、収入減の蓋然性を具体化することが重要です。
安全配慮義務違反
労災事故について、会社が安全対策を怠っていた場合、会社に対して、損害賠償請求ができる可能性があります。
すなわち、労災事故で、会社に対して、損害賠償請求をするためには、会社に、安全配慮義務違反が認められなければなりません。
安全配慮義務とは、労働者の生命・健康を危険から保護するように、会社が配慮する義務をいいます。
そして、会社が、労働安全衛生法令やガイドラインに違反していた場合、安全配慮義務違反が認められます。例えば、機械に安全装置が設置されていなかったり、労働者に対して保護具を使用させていなかったり、十分な安全教育が実施されていない場合に、安全配慮義務違反が認められることがあります。
そのため、労災事故が発生した会社に、労働安全衛生法令やガイドラインに違反していなかったについて、検討します。
その結果、会社に労働安全衛生法令やガイドラインの違反が認められた場合、安全配慮義務違反があったとして、会社に対して、損害賠償請求をします。

弁護士に相談するメリット
労災の後遺障害は、医学的な立証と行政手続、さらに民事賠償の検討が絡みます。早期に弁護士へ相談することで、認定・受給・賠償の取りこぼしを防ぎやすくなります。
労災の13級は、労災の認定基準を満たしていることを資料で示せるかが勝負になりやすい一方、被災者は治療や仕事の調整で手一杯になりがちです。その結果、必要な検査を受けないまま症状固定してしまったり、診断書の記載が薄いまま提出してしまったりして、後遺障害と認定されないリスクがありえます。
弁護士に相談すると、等級認定に必要な資料の準備、診断書のどこが弱いかの指摘、追加検査の検討など、立証の準備を早い段階から行えます。特に13級は境目の争いになりやすいため、労災申請前の準備が結果に直結します。
さらに、労災給付で補償されない、慰謝料や逸失利益の検討まで一体で進められる点が大きな利点です。労災補償と損害賠償請求の全体最適を考えることで、補償の最大化と手続の無駄を減らしやすくなります。
資料収集と手続きの負担軽減
弁護士は、必要書類の洗い出しや、診断書に必要な記載が揃っているかのチェック、追加検査や意見書が必要かの判断をサポートできます。被災労働者が見落としやすいのは、等級表の要件に直結する数値や所見の不足で、ここを埋める支援は実務的な効果が大きいです。
労働基準監督署への提出書類は、形式の不備でも遅延につながるため、書類の整備や控えの管理を含めて支援を受けることでミスを減らせます。会社が手続に非協力的な場合でも、制度上の進め方を整理し、必要な対応を取りやすくなります。
本人は治療や生活再建に集中しやすくなり、結果として申請の質とスピードを両立しやすくなります。
会社との交渉と損害算定
損害賠償請求を検討する場合、慰謝料や逸失利益は計算根拠と証拠の提示が不可欠です。弁護士は基準や裁判例を踏まえて、提示額が妥当か、どの要素が争点になりそうかを整理し、交渉方針を立てられます。
会社への請求では安全配慮義務違反の立証が核心になることがあり、労災事故状況、指導体制、設備の安全性、過去の類似事故など、事実関係の掘り起こしが必要です。
示談交渉で解決しない場合も、訴訟を含めた選択肢と見通しを持てることで、早期に不利な条件で示談をしてしまうリスクを下げられます。
まとめ
労災の後遺障害13級は、認定基準への該当性を客観資料で示すことが重要です。症状固定から障害補償給付の申請、審査、不服申立て、さらに労災外の賠償請求まで視野に入れ、漏れのない補償確保を目指しましょう。
労災の後遺障害13級は、軽く見られやすい一方で、仕事や生活に継続的な支障を残し得る等級です。認定では、等級表の要件に該当することを検査結果や画像、診断書の具体的内容で示すことが最重要になります。
手続は症状固定の判断から始まり、診断書と資料の準備、労働基準監督署の審査、結果通知という流れで進みます。各段階での不備は遅延や不支給につながるため、提出物の控えを残し、理由を分析できる状態にしておくことが効果的です。
13級と認定されれば、障害補償一時金が支給されますが、慰謝料や逸失利益などは、足りませんので、会社に対する損害賠償請求を検討します。必要に応じて弁護士へ早めに相談し、認定と賠償の取りこぼしを防ぎましょう。
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この記事を書いた弁護士
徳田隆裕(とくだ たかひろ)
弁護士法人金沢合同法律事務所 弁護士
2010年弁護士登録。労働者側での労働事件を専門として、解雇、残業、労災といった労働問題で困っている労働者を笑顔にするために、日々弁護活動を行っています。「労働弁護士徳田タカヒロ」というYouTubeチャンネルで、労働問題についての情報発信をしています。
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