退職した後でも労災保険の支給を受けられるのか?

Q.現在,労災保険の支給を受けていますが、
会社を退職した後にも引き続き受給できますか?

 

会社を退職した後にも引き続き労災保険の支給を受けることができます(労災保険法12条の5第1項)。

 

仕事が原因で負傷してしまい、労災保険の療養補償給付を利用して治療をしていたところ、治療の途中で会社を退職しても、引き続き、労災保険の療養補償給付を利用して治療を続けることができます。

 

仕事が原因で負傷してしまい、会社を休業して、労災保険の休業補償給付を受給していたところ、会社を退職した場合、次の要件を満たす場合には、引き続き休業補償給付を受給することができます。

 

①仕事が原因による傷病のために療養していること

②療養のため労働することができないこと

③そのために賃金をうけていないこと

 

会社を退職した後、別の会社に就職した場合、③の要件を満たさなくなりますので、休業補償給付を受給することはできなくなります。

 

会社を退職しても、治療を継続しているため働けなくて、そのまま就職せずにいたのであれば、休業補償給付を引き続き受給することができます。

 

また、会社に在籍してきたときに、労災申請をしていなかったけれども、会社を退職した後に労災申請をすることも可能です。

 

その場合には、消滅時効に気をつけてください。