労災保険の申請はいつまでにしなければならないのか?

Q・労災保険にも時効があると聞きましたが,
労災保険の申請はいつまでにしなければならないのでしょうか?

 

 労災保険の給付を受ける権利は,法律で定められた期間内に行使しないと,時効によって消滅してしまいます。

 

 療養補償給付,休業補償給付,葬祭料,介護補償給付を受ける権利は,2年を経過したときに,障害補償給付,遺族補償給付を受ける権利は,5年を経過したときに,時効によって消滅します。

 

 例えば,2020年2月の休業補償給付を受ける権利は,2022年2月を経過すれば,時効で消滅し,2020年3月の休業補償給付を受ける権利は,2022年3月を経過すれば,時効で消滅するように,順次消滅時効が完成していくごとに,消滅していきます。

 

 そのため,労災事故にまきこまれた場合,早目に,労災保険の申請をして,消滅時効が完成しないようにしてください。

 

給付の種類

時効完成までの期間

起算日

療養(補償)給付

2年

療養に関する費用の支出が具体的に確定した日の翌日

休業(補償)給付

2年

労働不能のため賃金を受けない日ごとにその翌日

葬祭料

2年

労働者が死亡した日の翌日

遺族(補償)給付

5年

労働者が死亡した日の翌日

障害(補償)給付

5年

傷病の治ゆ・症状固定日の翌日

介護(補償)給付

2年

介護保障給付の対象となる月の翌月の1日

 

「労災事件救済の手引」(第2版)古川拓(著)185頁より抜粋