はしごから墜落・転落した場合に会社に対して損害賠償請求できる?

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はしご・脚立・足場などからの墜落・転落は、骨折や頭部外傷など重いけがや後遺障害につながりやすい労災事故です。労災事故後は治療に専念しつつ、労災保険の申請と、会社(場合により元請け等)への損害賠償請求を並行して検討することが重要になります。

本記事では、労災と認められるための要件、受け取れる給付の種類、労災申請の進め方、会社に対する損害賠償請求の条件や手続き、集めておくべき証拠、時効の考え方までを解説します。

 

はしごからの墜落・転落の労災事故で損害賠償を考えている方へ

労災保険給付だけでは、カバーしきれない損害(慰謝料や逸失利益の不足分など)が生じることがあり、会社側の落ち度があれば損害賠償請求が認められる可能性があります。

はしごからの墜落・転落は、治療が長引きやすく、仕事に戻れない期間が生まれやすい労災事故です。労災保険で、治療費や休業補償は受けられますが、精神的苦痛に対する慰謝料や、将来の収入減(逸失利益)の全てが十分に補償されるわけではありません。そのため、会社への損害賠償請求を検討する意味があります。

損害賠償請求を考えるときのポイントは、労災事故が単なる不運ではなく、会社側が防げた労災事故だったかです。はしごの固定や角度、滑り止めの有無、作業床や手すりの未整備、保護具の支給や着用確認、安全教育や手順書、監督者の配置など、現場の仕組みを見直すと「労災事故を予防できたポイント」が見つかることが多いです。

労災は生活と治療の土台を確保する手続きで、損害賠償請求は不足する損害を回収する手続きです。

 

はしごなどからの墜落・転落事故は労災になるのか

労災と認められるには、原則として「業務遂行性」と「業務起因性」が必要です。労災事故状況によって判断が分かれるため、要件を正確に押さえましょう。

はしご・足場からの墜落・転落が労災になるかは、単に職場で起きたかどうかだけでは決まりません。労災認定では、会社の管理下で仕事として行っていたか、仕事に伴う危険が原因で起きたかを、具体的な事実で説明できることが重要です。

ポイントは、労災事故当時の状況を言葉で再現できるようにすることです。どこで、誰の指示で、何の作業をしていて、どんなはしごをどう設置し、何が起きて落ちたのかが明確だと、労働基準監督署の調査でも判断がスムーズになりやすいです。

一見すると微妙なケースでも、現場待機や構内移動など業務とセットになっている行動なら労災として扱われる余地があります。逆に、私的行為や業務からの逸脱が強いと争いになりやすいため、行動の目的と必要性を具体的に整理しておきましょう。

 

業務遂行性とは何かを確認する

業務遂行性とは、労働契約に基づいて会社の支配・管理下にある状態をいいます。典型は就業時間中の作業ですが、出張や外回り、現場への入場後の待機、朝礼後の準備時間なども含まれ得ます。

確認したいのは、労災事故時に仕事としてその場にいたといえる事情です。例えば、誰からどの作業を割り当てられていたか、現場で指揮命令を受けていたか、入退場記録や朝礼参加があるかなどは、業務遂行性を支える材料になります。

実務では、会社が労災事故の扱いを小さく見せたがる場面もあります。だからこそ、当日の勤務状況を示す客観資料(タイムカード、日報、チャットの指示、現場名簿)を確保しておくことが、大切です。

 

業務起因性とは何かを確認する

業務起因性は、けがが業務に内在する危険が現実化したことをいいます。はしご作業はそれ自体が高リスクであり、設置不良や足元不安定、照度不足、天候、保護具不備などが重なると労災事故が起きやすくなります。

重要なのは、単に「落ちた」ではなく、なぜ危険が高まっていたのかを因果関係として説明することです。例えば、はしごが固定されていなかった、床が濡れて滑った、照明が暗く踏み外した、風が強いのに作業を止めなかった、といった事情は、業務起因性を認める方向にはたらきます。

業務起因性は、会社の責任追及にもつながる土台です。同じ墜落でも、設備・手順・管理のどこに問題があったかが整理できるほど、労災認定だけでなく後の損害賠償請求でも効果的になります。

 

休憩時間や移動中の墜落事故が労災と認められるケース

休憩中でも、現場施設の利用や構内移動など業務に付随する行動中の事故は、労災と認められることがあります。例えば、現場内の決められた場所へ移動していた、資材置場へ向かっていた、指定の休憩所へ行く途中だったなど、仕事と切り離しにくい事情がある場合です。

一方で、私的行為が強いと判断が難しくなります。寄り道や私用で立ち入った場所での事故などは、業務とのつながりが薄いとして争いになりやすいです。

このタイプのケースでは、行動の目的を言語化することが鍵です。誰に言われて、何のために、どこへ向かっていたのかを具体化し、現場内ルールや動線、当日の指示との関係を示せる資料や証言を集めておくと有利になります。

 

 

はしご・足場からの典型的な墜落・転落事故の事例

事故態様によって、労災認定の見立てや会社の安全配慮義務違反(安全対策不備)の主張ポイントが変わります。典型例から自分のケースの論点を把握します。

はしごや足場の労災事故は、起き方が似ているようで、責任の所在や必要な証拠が変わります。どこで労災事故が起き、何が欠けていたかを具体的に押さえると、労災申請も損害賠償請求も組み立てやすくなります。

典型的には、設備の問題、手順の問題、教育・監督の問題が重なって労災事故が起きます。現場では「慣れ」や「急ぎ」で、安全確認を削りがちですが、法的にはその部分こそが争点になりやすいです。

自分の労災事故を、設置状況、作業環境、指示内容、保護具、監督体制という観点で分解して整理すると、必要な証拠を取りこぼしにくくなります。

 

高所作業中にはしごから転落した事例

高所作業中の転落では、はしごの設置条件が最初のチェックポイントです。角度が急すぎる、固定がない、滑り止めが摩耗している、床面が濡れているなどの事情があると、労災事故につながります。

次に、周辺環境です。照度不足で足場が見えにくい、風雨でバランスを崩しやすい、足元に資材が散乱しているなど、作業環境が悪いと「転落の危険が高いのに作業を続けた」と評価されやすくなります。

この類型では、現場写真やはしごの状態を残せるかがポイントになります。労災事故直後でないと、片付けられたり交換されたりして、危険な状態が再現できなくなるため、可能な範囲で現場の撮影、点検記録の有無の確認をしておくことが重要です。

 

作業指示と異なる使い方をしていた事例

指示と違う使い方をしていた場合、会社は本人のミスとして片付けようとしがちです。しかし、実務ではそれで終わらないことも多いです。なぜなら、危険な手順が現場で常態化していたり、そもそも安全な代替手段が用意されていなかったりすることがあるからです。

例えば、適切な足場や高所作業車が必要なのに準備されず、はしごで無理に対応するしかなかった、納期が厳しく安全確認を省かざるを得ない雰囲気だった、監督者が黙認していた、といった事情は、会社側の管理不備として評価され得ます。

この場合、会社の責任が認められても、過失相殺で損害賠償額が調整される可能性がありえます。最終的な回収額に直結するため、指示内容、教育の有無、代替手段の有無、現場慣行を示す証拠を丁寧に集める必要があります。

 

安全帯やヘルメットを着用していなかった事例

保護具を着用していなかった場合、過失相殺の争点になりやすいです。ただし、保護具不使用があれば自動的に本人が全面的に悪い、という話ではありません。会社が保護具を支給していたか、着用ルールを明確にしていたか、現場で着用確認をしていたかが問われます。

現場によっては、器具が古い、サイズが合わない、フックを掛ける場所がない、動作の邪魔になるなど、着用を妨げる要因が放置されていることがあります。この場合、単なる労働者の不注意ではなく、環境整備や指導監督の不備として会社の責任が認められることがあります。

 

 

労災保険給付の種類と受け取れる可能性がある補償

労災保険からは、治療費や休業補償などが支給されます。どの給付が対象になり得るかを把握し、漏れなく請求できるよう整理します。

墜落・転落の労災事故後は、まず治療と生活費の確保が問題になります。労災保険は、仕事が原因のけがであれば、原則として治療費は全額無料となり、休業中の収入も約80%補償されます。

ただし、給付には種類があり、状況に応じて請求すべきものが変わります。請求漏れがあると、必要な補償が受けられず、後から取り戻しにくいこともあるため、最初に全体像を整理しておくの必要があります。

 

治療費や休業中の収入を補償する給付

治療費に関する補償は、療養の給付で、業務が原因のけがで必要な治療が対象になります。労災保険を利用すれば、労災事故によるけがの治療費が無料になりますので、必ず、申請するようにしてください。

休業中の収入面では、労災保険の休業補償給付を利用します。休業4日目以降から支給され、働けない期間の生活費の補償を受けられます。休業の必要性は医師の意見に基づくため、就労可否や制限について診断書等で明確にしておく必要があります。

 

後遺障害が残った場合の障害補償と等級の目安

治療を続けても症状が改善しにくくなり、これ以上治療しても大きな回復が見込めない状態になると、症状固定として、後遺障害の手続きをします。この段階で、障害補償給付の対象になるかを検討します。

後遺障害等級は、痛みの程度だけでなく、関節の可動域、神経症状、画像所見、日常生活や就労への影響など、客観的資料で評価されます。自覚症状を丁寧に伝えることは大切ですが、それだけでは足りず、検査結果や診療録の整合が重要です。

実務では、症状の訴え方がばらばらだと、症状の一貫性を疑われることがあります。通院のたびに症状、困っている動作、仕事への支障をメモして、医師に具体的に伝えることが効果的です。

 

遺族が受け取れる労災の給付

万一、墜落・転落事故で死亡した場合、遺族が受け取れる給付があります。遺族の年金や一時金があり、家族の生活を支える制度として設計されています。遺族補償給付を受給できれば、遺族の今後の生活が安定します。

また、葬祭に関する給付もあり、葬儀費用の負担を軽減できます。

遺族の手続きは精神的負担が大きく、会社とのやりとりが難航することもあります。労災事故状況の説明が不十分だと認定や損害賠償請求にも影響するため、早い段階で情報を整理し、必要なら専門家の支援を検討することが重要です。

 

労災申請の流れと必要書類

労災申請は、労災事故状況の説明と書類整備が大切です。会社が協力的でない場合も想定し、実務の流れを押さえます。

労災申請は、書類を出せば終わりではなく、労災事故の経緯が合理的に説明できるかが重要です。墜落・転落は重大事故になりやすいため、労働基準監督署の調査が入ることもあり、準備の質が結果に影響します。

労災認定だけでなく、その後の損害賠償請求も見据えるなら、労災事故状況と安全管理の実態を示す資料を、最初から意識して集めることが有効です。

 

労災申請の基本的な手続きの流れ

まずは、病院の受診と会社への報告から始まります。治療を受けながら、労災事故の発生日、場所、作業内容、けがの内容を整理し、必要な様式を準備します。

次に、申請書類を労働基準監督署へ提出し、必要に応じて労働基準監督署が事実関係を調査します。調査では、会社や関係者への聞き取り、現場状況の確認、資料の提出を求められることがあります。

つまずきやすいのは、労災事故状況の記載が曖昧なまま提出してしまうことと、会社側の記載が被災労働者の認識と食い違うことです。提出前に、自分の説明が時系列で矛盾なく書けているか、指示者や作業手順が特定できているかを確認しましょう。

 

はしご・足場からの墜落事故で準備すべき書類と証拠

準備すべき資料は、労災事故の発生と業務との関係を示すもの、けがの程度を示すもの、現場の危険性を示すものに分けて考えると整理しやすいです。事故報告書や作業指示書、現場の安全書類、KY記録、点検記録などは、会社の管理状況を示す重要資料になります。

現場写真は強力な証拠になります。はしごの設置角度、固定の有無、滑り止めの状態、周辺の障害物、照明、床面などは、文字より写真のほうが伝わりやすいです。可能であれば、使用していたはしごの型番や管理番号、点検状況も記録しておきます。

治療に関する資料では、診断書だけでなく、画像検査結果や手術記録、通院履歴が重要です。後遺障害や損害賠償の場面では、治療経過の一貫性が問われるため、医療記録を時系列で整理しておくことが重要です。

 

会社が労災申請に協力してくれない場合の対応方法

会社が書類作成を渋ったり、押印を拒否したりすることがあります。しかし、労災申請は労働者本人でも進められるので、会社の協力がないからといって諦める必要はありません。

実務では、労働基準監督署に事情を説明し、会社が記載に応じないことを伝えたうえで、手元にある資料で勤務実態や労災事故状況を補足します。タイムカード、日報、メールやチャットの指示、同僚の証言メモなどは代替資料になり得ます。

注意したいのは、労災申請を理由に不利益な扱いを受けないかという点です。退職強要や嫌がらせが疑われる場合は、やりとりを録音等で、記録することが重要です。

 

はしご・足場からの墜落事故で会社に損害賠償請求できる条件

会社に損害賠償請求をするには、会社に安全配慮義務違反が認められる必要があります。すなわち、会社は、労働者が安全に働ける環境を整える義務を怠ったということです。

感覚的に危ない現場だったという話だけでは足りず、どの安全措置が欠け、労災事故がどう起きたかを具体的に示す必要があります。

 

会社の安全配慮義務違反があると判断されるポイント

安全配慮義務違反の判断では、危険を予見できたか、結果を回避できたかが中心になります。はしご作業の危険性は一般に高く、一定の高さや作業内容なら、転落防止措置を取ることは十分に予見可能と評価されることがあります。

安全配慮義務違反が問題になりやすい例として、老朽化したはしごを放置していた、固定具や作業床が未整備だった、手すりや防網などの設備がなかった、墜落制止用器具を支給していない、教育や手順書がなく新人に任せた、監督者が不在で危険行為が黙認されていた、工程が無理で安全手順を踏めない状況だった、などがあります。

ここでのポイントは、会社が形式的に安全を言っていたかではなく、実際に安全が担保される運用だったかです。例えば、保護具のルールがあっても、保護具を掛ける場所がない、巡視がない、違反が放置されているなら、実効性が乏しいとして、安全配慮義務違反が認められる可能性があります。

 

被災労働者側にも不注意がある場合の過失相殺

被災労働者側に不注意があっても、損害賠償請求がゼロになるとは限りません。裁判実務では、労災事故の危険性、指示命令の有無、教育の程度、現場の管理状況などを踏まえて過失割合が調整されます。

例えば、はしごの使い方に問題があったとしても、会社が危険な手順を黙認していたり、教育していなかったり、代替手段を用意していなかったりすれば、会社側の過失の方が大きく評価される余地があります。

 

元請け会社への損害賠償請求の可能性

現場が下請構造の場合、責任追及の相手が勤務先だけとは限りません。現場全体を支配し、作業手順や安全ルールを実質的に決めていた元請けが、指揮監督上の責任を負う可能性があります。

相手方が複数になり得るからこそ、契約関係だけで決めつけず、現場で誰が何を管理していたかを押さえることが重要です。元請けの安全書類、現場の指揮命令系統、設備の型番や保管状況などが手がかりになります。

 

損害賠償請求の方法と手続きの流れ

会社等への損害賠償請求は、交渉・労働審判・訴訟と複数のルートがあります。事案の緊急度、争点の大きさ、証拠状況に応じて選択します。

損害賠償請求の交渉では、安全配慮義務違反などの法的構成と、証拠に裏付けられた損害額の提示が必要です。

進め方には、話し合いでの解決を目指す交渉、比較的早期解決を狙える労働審判、全面的に争う訴訟があります。

 

会社との交渉で解決を目指す流れ

交渉は、損害額を算定し、根拠資料を添えて請求書を送付するところから始めます。その後、書面や面談で主張をやり取りし、合意できれば示談書を作成して解決します。

早期解決はメリットもありますが、後遺障害の見通しが立つ前に合意すると不利になります。示談書には清算条項が入るのが通常なので、一度合意すると追加請求が難しくなる点に注意が必要です。

 

労働審判を申し立てる場合の進め方

労働審判は、3回の期日で迅速に解決できる裁判手続きです。交渉が決裂したものの、長期間の訴訟は避けたい場合に選ばれやすいです。

手続きの特徴は、調停による話し合いと判断がセットになっている点です。合意に至らなければ審判が出され、当事者が異議を申し立てると訴訟に移行します。

そのため、最初から訴訟を見据えた主張立証の準備が重要です。労災事故状況、安全管理の欠陥、損害の根拠を、時系列と資料で整理して、主張と立証を行います。

 

訴訟で争う場合の流れと期間の目安

訴訟は、提訴後に書面のやり取りを重ね、証拠を提出し、必要に応じて証人尋問などを行い、和解または判決で終結します。期日は通常1か月前後の間隔で進むことが多く、解決までに約1年以上の期間を要します。

負担は大きい一方で、争点が複雑な場合や相手が不合理に争う場合には、訴訟が最も適切な解決ルートになりえます。途中で裁判所から和解案が示されることも多く、どこで折り合うかの戦略も重要です。

 

請求できる損害項目の考え方

請求できる損害は、休業損害、逸失利益、慰謝料などが中心です。重い後遺障害が残る場合は、将来介護費などが問題になることもあります。死亡の労災事故では、逸失利益、死亡慰謝料などが中心となります。

実務上の重要点は、労災給付との調整です。同じ性質の損害について二重に補償されないよう、労災で支給された分が控除されます。

さらに、過失相殺によって、最終的な損害賠償額が減額されることがあります。最終的な手取りを見誤らないために、いくら回収できるかの試算が欠かせません。

 

労災事故直後から集めておくべき証拠と記録

証拠は時間とともに失われます。労災申請と賠償請求の両面で有利になるよう、初動で集めるべき情報を具体化します。

墜落・転落の労災事故では、現場が片付けられたり、設備が交換されたりして、危険な状態がすぐ消えてしまうことがあります。記憶も時間とともに薄れるため、労災事故直後の記録が最も価値を持ちます。

労災申請では業務との関係を示す資料が重要になり、損害賠償請求では安全対策の欠陥と因果関係を示す資料が重要になります。

難しいのは、けがをしている当事者が自力で集めにくい点です。可能なら家族や同僚に協力を依頼し、無理のない範囲で、最低限の撮影とメモを残しましょう。

 

現場写真やはしご・足場の状況を記録する

写真で押さえたいのは、はしごの設置角度、固定状況、滑り止めの有無、周辺の障害物、床面の状態、照度、天候などです。危険の原因が複合していることが多いので、広角と接写の両方で残すと後で説明しやすくなります。

可能であれば、はしごや足場の型番、管理番号、点検票の有無、劣化や破損の状況も記録します。会社側が後で「問題ない器具だった」と主張しても、当時の状態が示せれば、十分に反論できます。

撮影が難しい場合でも、図にしてメモを残すだけでも価値があります。どこに立ち、どこに手を掛け、どの方向に倒れたかなど、再現可能な情報にしておくことが重要です。

 

勤務実態や指示内容を証明できる資料を残す

業務中だったことを示すために、シフト、タイムカード、業務日報、出勤簿、現場の入退場記録などを確保します。業務指示がチャットやメールなら、スクリーンショットで日時と内容が分かる形で保存しておきます。

指示内容は、誰が指示したかが特に重要です。指揮命令系統が明確だと、業務遂行性の説明が強くなるだけでなく、損害賠償請求での責任の所在も明確になります。

同僚の記憶も時間で薄れます。目撃者がいるなら、連絡先を確保し、覚えている範囲で事実関係をメモにしてもらうと、後日の証言が信用されやすくなります。

 

診断書や治療経過の記録を整理しておく

診断書に加えて、画像検査、手術記録、リハビリ内容、通院日、症状の推移、医師からの就労制限の指示などを、時系列で整理しておくことが重要です。

後遺障害が争点になると、症状の一貫性が問われます。痛みやしびれなどは外から見えにくいので、いつから、どの動作で、どの程度困るかを日記のように記録しておくと、医師への説明と医療記録の整合が取りやすくなります。

また、仕事を休んだ日や早退した日、業務内容の変更なども、休業損害や逸失利益の算定に関わります。

 

後遺障害が見込まれる場合の相談タイミング

後遺障害が見込まれる場合、相談のタイミングは症状固定の前後が一つの目安になります。症状固定前でも、医師への伝え方や必要検査、記録の残し方で後の等級認定に影響が出るため、早期相談に意味があります。

示談のタイミングも重要です。後遺障害が確定する前に合意すると、後から症状が重いと分かっても追加請求が難しくなります。将来の損害は見込みで争点になりやすいので、固定や等級の見通しを踏まえて進めるべきです。

 

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墜落・転落の労災事故は、労災申請と損害賠償請求が絡み、証拠収集や法的主張の組み立てが重要です。弁護士に相談することで、見落としを減らし、回収可能性を高められます。

はしごからの墜落・転落は、けがが重く、生活や仕事への影響が長期化しやすい一方で、労災事故原因の立証は時間が経つほど難しくなります。会社側が労災事故後に記録を整えたり、現場を改修したりすると、当時の危険性を示す材料が減ってしまうためです。

治療に集中するためにも、早い段階で相談し、やるべきことを整理することが効果的です。

 

相談から示談・訴訟まで弁護士が対応できるサポート範囲

相談では、労災事故状況の整理、必要な証拠の洗い出し、労災申請の進め方、損害賠償請求の見通しを確認します。

その後は、労災手続きのサポート、内容証明の送付、交渉の代理、必要に応じて労働審判や訴訟の代理まで対応できます。

後遺障害が関係する場合は、医療記録の整理や、損害額算定の組み立ても重要になります。和解条項の作成まで含めて対応できるため、不利な合意を避けやすくなります。

 

まとめ

はしご・足場からの墜落・転落では、労災申請で必要な補償を確保しつつ、会社側の安全配慮義務違反等があれば損害賠償請求も検討できます。労災事故直後から証拠を集め、早めに専門家へ相談することが、適正な補償につながります。

はしごからの墜落・転落は、労災の対象になりやすい一方で、労災事故状況によっては認定や責任が争われます。業務遂行性と業務起因性を満たす事実関係を、資料と整合する形で整理することが重要です。

労災保険は生活の土台になりますが、慰謝料や逸失利益など、労災保険給付だけでは補償されない損害が残ることがあります。会社側の安全配慮義務違反などがあれば、損害賠償請求で不足分を回収できる可能性があります。

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