はしごから墜落・転落した場合に会社に対して損害賠償請求できる?
Q はしごを使って、高いところで作業をしていたところ、バランスを崩して墜落して、けがを負いました。この墜落事故について、会社に対して、損害賠償請求できますか?
A 会社に対して、損害賠償請求できる可能性があります。
会社は、労働者の生命や身体の安全を確保しつつ働くことができるように必要な配慮をしなければなりません。
これを、安全配慮義務といいます。
会社に安全配慮義務違反が認められますと、会社に対して、損害賠償請求をすることができます。
そして、会社が、労働安全衛生法や労働安全衛生規則で定められている安全衛生の基準に違反した場合、原則として、安全配慮義務違反が認められることになります。
2メートル以上の高い場所での作業について、労働安全衛生規則518条では、足場を組み立てる等の方法により作業床を設置すること、防網を張ること、労働者に対して、要求性能墜落抑止用器具を使用させることが求められています。
また、移動はしごを使用する場合には、次の4つに適合したものでなければなりません。
①丈夫な構造とすること
②材料は、著しい損傷、腐食等がないものとすること
③幅は30センチメートル以上とすること
④すべり止め装置の取付その他転位を防止するために必要な措置を講ずること
会社がこれらの安全衛生の基準に違反して、労働者がはしごを使用して墜落した場合には、会社は、墜落による労働者の危険を防止するための措置を講じていないとして、安全配慮義務違反が認められ、会社に対する損害賠償請求が認められることになります。